株式会社 協和・上田会長:印刷一筋60年の職人魂

海南市で60年にわたり印刷業を営む株式会社 協和の上田会長。1964年の創業から、名刺印刷から始まり、技術革新の波を乗り越えながら地域に根ざした印刷業を続けてきた。「みんなが喜ばへんかったら意味がない」という信念のもと、従業員と共に歩んできた職人の物語がここにある。

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創業から紡がれた、時代を越える想い

昭和38年3月28日、上田会長は協和名刺店を創業した。当初は名刺印刷からスタートし、タイプライターで文字を打つところから始まった。その後、写植技術(職人が金属活字を使い手作業で印刷する方法。)の導入、パソコン組版(コンピュータで文章やデザインを作成・編集する。)への移行、オフセット印刷(版を使い、大量・高品質な印刷を得意とする方法。部数が多いほど割安。、初期準備に時間とコストがかかる。)からデジタル印刷(コンピュータから直接データを印刷できる方法。版が不要で、小ロットや短納期の印刷に向いている。)へと、激動の技術変遷を経験してきた。「技術は変わっても、お客さんに喜んでもらいたいという気持ちは変わらない」と語る上田会長。創業当時から貫く「人を大切にする」経営哲学が、60年という長きにわたって事業を支え続けている。

機械に宿る魂と、職人が磨いた五感

上田会長の印刷への愛情は、機械に対する深い愛着に現れている。「機械にも心がある」と語り、インクの匂いだけで機械の調子を判別できるほどの職人技を身につけてきた。紙の質感を手で触れただけで判断し、お客様の要望に最適な印刷方法を提案する。新しいデジタル技術も積極的に取り入れながら、従来の技術の良さも大切にする姿勢は、まさに印刷職人の真骨頂。「完璧な印刷物というのは、お客さんが満足してくれること」という考えのもと、一枚一枚に魂を込めて仕事に取り組んでいる。

人とのつながりが育んだ、信頼という財産

長年の経験の中で、上田会長には数多くの失敗と学びがある。特に印象深いのは、お客様との信頼関係を築く大切さを学んだ体験だ。「お客さんの要望を聞いて、それ以上のものを提供したい」という思いから生まれた地域密着型のミニコミ誌「ツーカイネットスクラム」は、地域の人々に愛され続けている。また、従業員との関係においても「全員が心から喜べることでなければ意味がない」という考えを貫き、共に成長していく姿勢を大切にしてきた。これらの体験が、現在の株式会社 協和の礎となっている。

受け継がれる技と心、そして未来への希望

印刷業界の将来について、上田会長は楽観的でありながらも現実的な視点を持っている。「デジタル化が進んでも、印刷物の温かさや質感は残り続ける」と信じている。若い世代に印刷業の魅力を伝えるためには、「ものづくりの喜びと、お客様に喜んでもらえる達成感」を実感してもらうことが重要だと考えている。技術は進歩しても、「人を大切にする心」と「品質にこだわる職人魂」があれば、印刷業は必ず生き残っていけると確信している。これからも地域と共に歩み続ける株式会社 協和の挑戦は続いていく。

手に取り、感じることから始まる、本当の印刷

上田会長とお話しさせていただいて、印刷というものの本質を教えていただきました。今の時代、インターネットで簡単に印刷を注文できますが、実際に上田会長の会社を訪れてみて気づいたのは、「触れて、感じて、相談しながら作る」ことの大切さです。

画面上では分からない紙の質感、実際に手に取らなければ伝わらない重み、光の当たり方によって変わる色合い。上田会長は様々な紙を実際に見せてくださり、「この用途でしたら、こちらの紙の方が手に馴染みますよ」「この色なら、お客様の想いがより伝わると思います」と、まるで洋服の仕立て職人のように、一人ひとりに合わせた提案をしてくれます。

60年培った職人の目と手が、お客様の想いを汲み取り、最適な素材と技法を選んでくれる。これは、規格化されたネット印刷では決して得られない価値です。紙の種類、色合い、質感を実際に確かめながら、「この大切な資料には、やはりこの紙が一番ですね」と言ってもらえる安心感は、何物にも代えがたいものがあります。

本当に大切な印刷物、心を込めて作りたい一冊があるなら、ぜひ株式会社 協和を訪れてみてください。実際に紙を手に取り、相談しながら作り上げる印刷物は、きっとあなたの想像を超える仕上がりになるはずです。


ACCESS

株式会社 協和
〒642-0017 和歌山県海南市南赤坂5-3
TEL 073-483-5211
URL https://kk-kyowa.jp/

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